元恋人の甘い痛み【完】

車のエンジンを掛けて発進させられる。何処へ行くのか分からないまま雷牙に任せる。


任せると言うか、運転しているのは雷牙だから任せるしかない。


ハンドルを握る雷牙の方へと視線を向けた。こうしてみると、雷牙は運転する姿が良く似合う。


様になってると言うか、何と言うか。


「何か付いてるか?」

「い、いいえ」


思わず見とれてしまったのを雷牙の言葉によって我に返された。


私ったら、何して。


相手は元カレよ。それも修羅場を味わわせてくれた、元カレ。
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