元恋人の甘い痛み【完】
「おかしな奴」
「私もそう思うわ」
「フッ、何だそれ」
どれくらい走り続けたのだろうか。車は広い道路から少し狭い小道へと入り駐車させた。
周りが少し暗くて場所がいまいち分からないのだけれど、ここは河川敷?
雷牙と共に車から降りると、雷牙は私の手を握り一歩一歩階段を降りて行く。
「……ここは」
「覚えてるか?」
覚えてるも何も此処は七年前に二人でよく来た河川敷。川を見ながら会話した、私達にとってのデート場の内の一つ。