元恋人の甘い痛み【完】

「おかしな奴」

「私もそう思うわ」

「フッ、何だそれ」


どれくらい走り続けたのだろうか。車は広い道路から少し狭い小道へと入り駐車させた。


周りが少し暗くて場所がいまいち分からないのだけれど、ここは河川敷?


雷牙と共に車から降りると、雷牙は私の手を握り一歩一歩階段を降りて行く。


「……ここは」

「覚えてるか?」


覚えてるも何も此処は七年前に二人でよく来た河川敷。川を見ながら会話した、私達にとってのデート場の内の一つ。
< 506 / 709 >

この作品をシェア

pagetop