元恋人の甘い痛み【完】
四、危険な料亭


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それはあまりにも突然過ぎた。


定時になり、帰宅に向けてデスクの上を片付けていたらいきなり雷牙が秘書室へと入って来た。


「今から株主である先方に会う。お前も来い」

「そんなスケジュールなかった筈よ?」

「さっき直接連絡が入ってな。金銭面でもかなり世話んなった人でな。いつも急だが、断った事が一度もない」

「…分かりました」


帰る気満々だったのに、残念な事に仕事が入ってしまった。


秘書をしている限り仕方ないわよね。それに、あの雷牙でさえ頭が上がらないその先方とやらを見てみたいわ。


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