元恋人の甘い痛み【完】
雷牙に続いて秘書室を出てエレベーターを降り一階のロビーを出ると駐車場へと向かう。
「…いつもの車は?」
「会食が終われば直接帰宅になるから俺の車で行く」
「そうなの」
いつもは専属の運転手のセルシオで出退勤していたから、それが当たり前だと思ってた。
雷牙、自分で運転したりするのね。意外な一面を発見したわ。
仕事での運転は絶対にしない、みたいな感じかと思っていたけれどそうでもないのね。
駐車場へ着くと、いかにも高級的な白いベンツのロックを解除した。
「…お邪魔します」
助手席に乗り込みシートベルトを閉めた。