元恋人の甘い痛み【完】

ドアが開かれ目の前にはスプーンを片手に立っている雷牙の姿が。


まさかスプーンで開けるなんて思わなかった。そんなに簡単に開けられるものなの………開けられる。


幼い頃鍵の開け方を知らずに鍵を掛けた事があって、その時お父さんに開けて貰った記憶がある。


…やられた。


「頭弱い奴だな」

「……っ」

「おっと」


再びドアを閉めようとするものの雷牙がドアを押さえ中へ入って来た。


私の身を強引に引っ張り抱き上げ肩へと担ぎ、トイレを出るとそのまま浴室へと歩む。


「し、信じられない!」

「信じるも何も俺の勝ちだ」


力で敵う筈もなく、その後は言うまでもなく雷牙の思い通りになってしまった。


嘘を付いた仕置きだと、深夜になっても離して貰えず大変な目にあった。


…雷牙の馬鹿。
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