元恋人の甘い痛み【完】
もともと雷牙は違う世界の人だったんだから、今更どうってことないわよね。
前の私達に戻るだけ。
雷牙はあんなに私の事を見てくれようとしたのに、私は雷牙の行為を裏切ってしまった。
最低だ私。
胸が凄く痛い。
こんなふうに痛みを感じるのは、七年前の修羅場以来ね。
あの時の様に心が凄く痛い。
「……っ……っ…」
電車を降りて部屋へ向かう中、大粒の涙が溢れた。
雷牙を傷付けてしまった。
雷牙が離れて行ってしまった。
もう戻れない?
どんなに弁解しても聞いてくれない。
あの冷たい目で見られるのが怖い。
もう…駄目なんだ…。