元恋人の甘い痛み【完】
ーーー午後八時。
「もうこんな時間。帰らなきゃ」
ついつい書類に夢中になってしまい、気付くと八時になっていた。
結局雷牙は帰って来ずで家に直帰するのだろう。
「私も帰ろう」
コートを着て鞄を手に秘書室を出てエレベーターに乗り一階へと着くと警備員に挨拶をしてから、会社から外へと出た。
「優里、お疲れ様」
「…雷牙?」
「間に合って良かった」
「え?」
間に合って良かった?
メニュー