元恋人の甘い痛み【完】

「お前、今日が何の日か忘れたのか?」

「……誕生日はまだ先よね?」

「その前にあんだろーが」

「……え-っと」

「まあ、良い。行くぞ」


有無を言う前に車に乗せられシートベルトを締めた。


そういえば今日は皆変だったけど…何かあるの?


「あれを見ても思い出さないか?」


雷牙は運転する中、信号で止まるとライトアップされた大きなツリーを指さした。


「クリスマス!」

「そうだ」

「そんな事すっかり忘れてたわ。どうりて皆定時で帰りたかったわけだわ」


すっかり忘れていた私ってどうなの…。
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