元恋人の甘い痛み【完】
二十九、誕生日前のすれ違い

「…西崎さん」

「はい」

「西崎さんって彼氏いるんですか?」


唐突に問い掛けて来たのはクリスマスの日に書類を明日まで待って欲しいと言って来た総務課の女性社員。


雷牙に買って貰ったネックレスをじっと見つめながら述べる。


「彼氏居ないわ」

「そのネックレス自分で買ったんですか?この前そのネックレスを見たんですが相当高かった記憶があるので、プレゼントして貰ったのかと」

「プレゼントはプレゼントだけど、彼氏ではないわね」

「セレブな知り合いが居て羨ましいです」


危ない危ない。


まさか雷牙からだなんて、口が避けても言えない。
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