元恋人の甘い痛み【完】
三十、HappyBirthday(1)
………ん。
「おはよう」
「…おはよう」
「よく寝てたな」
「雷牙は寝なかったの?」
「いや、寝たが流石に昼前には起きたぞ」
「…今何時?」
「十四時だ」
「……えっ!私そんなに寝てたの!?」
「そりゃあもうぐっすりな」
「…やっちゃった」
寝心地がいいからっていくらなんでも寝すぎよね。
私ったら、どれだけ神経図太いの!
「せっかくの休みなのにごめんなさい」
「寝不足になった原因は俺だからな。謝る必要はない」
雷牙は優しく頭を撫でてくれた。