元恋人の甘い痛み【完】
その間、普段出ることのないバルコニーへと出て外の景色を眺めた。
高層マンションの上階とあってか景色はとても綺麗。
誕生日を誰かに祝ってもらうのは何年振りかしら。
雷牙と別れてから家族が崩壊し、お祝い事から遠ざかっていたもの。
母が死んでからは自分だけが幸せになってはいけないと、一切何もしなかった。クリスマスは勿論のこと、誕生日もお正月でさえも何もしなかった。
それが今では元恋人に誕生日を祝ってもらおうとしてる。