元恋人の甘い痛み【完】
「それから再び再会した時のお前の首筋ときたら、絆創膏なんか貼ってやがる」
「あ、あれは…予想外だったのよ。まさかあんな風に痕を付けられるなんて思わなかったもの」
「…男への殺意に加え、お前を奪ってやりたいと本気で思っていた」
「…奪ったじゃない。身体だけじゃなく私の心も奪ってくれた」
雷牙の肩口から顔を離すと、額同士を重ね合わせながらじっと雷牙を見つめた。
「貴方は私の心をまた掴んでくれた。今度はこうして安心感も与えてくれた」
雷牙…本当に感謝しているのよ。貴方には本当に感謝してる。