元恋人の甘い痛み【完】

「それから再び再会した時のお前の首筋ときたら、絆創膏なんか貼ってやがる」

「あ、あれは…予想外だったのよ。まさかあんな風に痕を付けられるなんて思わなかったもの」

「…男への殺意に加え、お前を奪ってやりたいと本気で思っていた」

「…奪ったじゃない。身体だけじゃなく私の心も奪ってくれた」


雷牙の肩口から顔を離すと、額同士を重ね合わせながらじっと雷牙を見つめた。


「貴方は私の心をまた掴んでくれた。今度はこうして安心感も与えてくれた」


雷牙…本当に感謝しているのよ。貴方には本当に感謝してる。
< 662 / 709 >

この作品をシェア

pagetop