元恋人の甘い痛み【完】
その女性は基本は広報担当なんだけれど、人手不足な時とかはフロントに出て居ると聞いた。
色んな仕事が出来て凄いって思う反面、言い方を悪くすれば都合が付くからいい様に使われているって感じ。
雷牙の事だもの、利用出来る人間はとことん利用するのがモットーみたいな感じだし。
「どんな方かしら」
秘書室を出て隣りにある雷牙の居る社長室のドアをノックし中へと入る。
「広報の方がお見えになるわ」
「そうか。優里」
「何?」
「お前は居なくていい」
どうして?
まるで私に居られると困るみたいな言い方だわ。