元恋人の甘い痛み【完】
「またセックス?」
「…いや」
「それじゃあ何?私も広報担当の方に挨拶するべきじゃない?」
「また今度で良いだろ」
「…何か隠してるでしょ?」
「別に。とにかく今日は…――」
その時。
タイミングが良いのか悪いのか社長室のドアをノックする音が聞こえた。
「…どうぞ」
雷牙は諦めた様に溜め息を付き、中へ入る様に促すとドアが開き広報の女性が室内へと入って来た。
一礼をし顔を上げた女性を見てドクンと強い鼓動に打たれ、心拍数がかなり上昇する。