元恋人の甘い痛み【完】
―――ピーンポーン―――
天井を仰ぎ見る事どれくらい経ったのだろうか。インターホンが鳴り響くと玄関へ歩みドアを開く。
立っていたのはさっき電話がかかって来た、健太だった。
相変わらずの茶髪に耳にはピアス、身体は細身でスラッとした背丈、顔はと言うとイケメンとも不細工とも言えない標準。
けれど彼には癒しを与えてくれる力があるし、慣れているのかセックスが上手い。
「久し振りだな」
「どうぞ、上がって」
健太を部屋へ招き入れるとキッチンへと入り珈琲を煎れる。確か、健太はカフェオレが好きだった筈。