元恋人の甘い痛み【完】


―――ピーンポーン―――


天井を仰ぎ見る事どれくらい経ったのだろうか。インターホンが鳴り響くと玄関へ歩みドアを開く。


立っていたのはさっき電話がかかって来た、健太だった。


相変わらずの茶髪に耳にはピアス、身体は細身でスラッとした背丈、顔はと言うとイケメンとも不細工とも言えない標準。


けれど彼には癒しを与えてくれる力があるし、慣れているのかセックスが上手い。


「久し振りだな」

「どうぞ、上がって」


健太を部屋へ招き入れるとキッチンへと入り珈琲を煎れる。確か、健太はカフェオレが好きだった筈。


< 7 / 709 >

この作品をシェア

pagetop