元恋人の甘い痛み【完】
「…優里」
「…私……今日は失礼するわ」
「優ちゃんっ!?」
私は元親友と目を合わせない様に社長室を後にした。
こんなの酷いじゃない。
二人してどれだけ私を惨めにすれば気が済むの。あの時みたいに知らなかったのは私だけ。
あれから七年もずっと、二人は連絡を取り合っていた。離れたのは私だけで…二人して私を嘲笑っていたのだろうか。
確かにあの時逃げ出したのは私だけど、こんなのってあんまりだわ。
…酷過ぎる。