元恋人の甘い痛み【完】
車に乗り家へと送ってもらう。
「ねえ、雷牙」
「何だ?」
「男の子なら、貴方の名前から一文字取りたいわ」
「雷か牙かって事か?」
「ええ、そう。だって、貴方みたいに強くて優しい人になって欲しいもの」
「なら、女ならお前の一文字を取るか」
「そうね。それでいきましょう」
「お前に似て美人になったら俺の身がもたないな。美人二人に虫が付かないように見張るのが大変そうだ」
「この子はともかく、私は大丈夫よ」
おかしなことを言うんだから。
思わず笑ってしまったじゃない。