元恋人の甘い痛み【完】


秘書室へ入り早急に帰宅する準備を終えると、会社を後にして最寄りの駅へと向かった。


もう今日は仕事所じゃない。全て綺麗に過去の記憶にしたつもりなのに、いざ元親友を目の前にすると胸が痛む。


あの時の記憶が鮮明に蘇っては、まるであの時と同じ様な感情に襲われる。


鼓動がドクドクと速く打たれ、冷や汗みたいなのが出て来て落ち着かない。


一刻も早くこの場から逃れたい。今日はもう仕事にならない。いても何の役にも立たないと思う。


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