元恋人の甘い痛み【完】
「見れば分かるって……否定したり、動揺したり…しないの…?」
「動揺した所で何になる?見られたものは仕方ないだろ。今日は気分が乗らないから帰ってくれ」
雷牙は親友の鞄を手にすれば、親友へと差出し帰る様に促す。親友は鞄を手に急ぎ足で玄関へと向かい私の横を通り過ぎ様とした時、親友の制服を掴み制止させてその頬を思い切り平手打ちをした。
「親友だと思っていたのに最低!」
「優里!」
雷牙は慌てて私を止めに立ち上がり制服を掴んでいる方の手を掴むと無理矢理引き剥がし、親友の背を軽く押して再度帰宅を促す。
親友は真っ赤になった頬を手で押さえながら、小走りで部屋を出て行く。