元恋人の甘い痛み【完】
五階に着くとエレベーターを降りて社員が行き交う中、自動販売機へと向かう。
もう直ぐ帰宅時間な事もあってか何だか凄く慌ただしい。そらそうよね、仕事を残して帰る訳に行かないし忙しいわよね。
自動販売機の前に立つと何を飲もうか暫く悩む。炭酸が飲みたいのだけれど、炭酸水だけってないみたいだし普段ジュースとか飲まないだけに迷ってしまうんだわ。
「ねぇ、早く決めてくれない?」
「あ、ええ、ごめんなさい。先にどうぞ」
背後から声を掛けられ振り向くと、そこには総務課の女性が立っていた。