As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「…ハイ、今日はここまで!悪いけど柚は今から私と帰らさせていただきます。」



「…落合。」



「…里中。柚を大事に思ってるなら…追い詰めないで。それから…、中道。双子を傷つけたら私が許さないって前に言ったはず。」



「………。」



「…じゃあ、そーゆーことで。じゃあ、皆さんお騒がせしました。」



律に腕を引かれて……



私はヨタヨタと教室を後にした。







「…アンタも悪い。」



言い方に棘はないけれど……


誰が言うよりも、心に響く叱責の言葉。



「…何度もアンタの気持ち、聞いたでしょう?柚のどっちつかずな態度が…こんな事態を招いたんだ。そこんとこ、わかってる?」



「………うん。」



「…聞きたいことが山ほどあるよ。ただの傍観者ではやっぱりいられないもんねぇ?幼なじみって。」





「………ごめん。」




「…世話やけるんだから、ホント。このまま…今日はわが家に直行。…わかった?」



「…はい。」








私は……


考えていた。

もし、あの時……


教室には私達3人しかいなくて、


律がいなかったとしたら……






私は、どんな答えを出していたのだろう……と。




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