As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
どうして今なんだろうって本当に思う。
もしあの頃素直になって……
もし一緒にプロ野球を見に行っていたら……
…なんて、
すべてはタイミング……。
恋愛って、ただ好き合うだけじゃあ駄目なんだって思い知らされる。
私には……
どっちが好きかだなんて、天秤にかけることはできない。
『俺は…お前がいないと駄目になる。』
どっちが私を必要としているか…?
人の気持ちを計り知れなたら……
どんなにいいだろう。
ぎゅっと目を閉じて…
深呼吸する。
今、出せる答えは……
ひとつしかない。
私は……
君のことをあまりにも知らなくて、
もっと一緒にいれたなら……
もっと話をしてたなら……
この気持ちは、揺らぐことのない想いに変わったのかもしれない。
中道。
君の気持ちを試すようなことは……
できない。
君を好きだっていう自信がない。
だから……
だから………。
一番正しい言葉で、君に伝えなくちゃいけない。
「……中道。ありがとうね。ホントもっと早くに言ってくれたらな…。」
「………。」
「…私はさ、アンタは天敵だと思ってた。ムカついてムカついて…、おかげでアンタの言動がいちいち気に障って……。でも、いつでも直球でぶつかってくれた。いい意味でも、悪い意味でもね。」
「…誉めてんのか?ソレ…」
「…続き…、聞いてよ。」
「…ん。」
「……で、たまーにさ、優しかったりするでしょう?……悔しかったなあ、うっかりドキドキさせられて。」
「…さっぱりわかんなかった。少しは動揺した?」
「…もちろん、しないわけないじゃん。」