As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
HRが終わる。



私は…


教室を出ようとするあいつの手首を…咄嗟に掴んでいた。




「……なに?」



中道が目を伏せる。




「…あんたのその顔、本当は誰に……?」




「………。お前には、関係ねェよ。」




振りほどかれた手が……


僅かに震えていた。




きっとアンタは嘘をついている。



みんなにホントのこと言えない理由。


それって……




「…佳明なの……?」




「…………。」




「…佳明に、殴られたんじゃないの?」




「だったら何?」



「………っ」



「お前のせいとかそんなんじゃないから。勘違いすんなよ。…てか、部活遅れる。…じゃ…。」



「待ってよ、中道!」



「………。」



「…まっ……」



ドアがピシャリと閉まった。











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