As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「あ。ホラ…また女といる。」
「…へー……」
中道は……
すこし変わった。
前には男の輪の中心にいて……
バカばっかしていた奴が、今度はちらほらと女の影。
「…うるせーよ、お前。」
女の子にも…平気で触れる。
「…ちょっと、柚っ。顔怖いっ…」
律に言われるまで、ついつい目で追ってしまう私。
「…ちぐはぐすぎでしょうよ、ソレ。」
律はそんな私を見て笑って見過ごす。
ただ……
見過ごせない人もいる訳で……
「…なーにがちぐはぐだって?」
不意に背後には…佳明の姿。
肘を私の頭に置き、頭をぐりぐりっとしてきた。
「…浮気防止。」
肩に手を回し、私の身体を180度方向回転。
「…全くあいつは……、フリーになった途端何だアレ。」
呆れながらも、気にする佳明。
「お前は目を離すとなにしでかすかわかんねーからなあ。」
「………そんなこと、ないよ。」
「まあ…、いいけどね。その度に引き戻すのが俺の役目。」
「……うん。」
こうやって……
人前にも憚らず、例えくっついていようが……
中道は、もう気になどしない。
見ようともしない。
そして……
佳明もまた、私達の関係に口出すことは……
なかった。