As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
ああ…、頭が働かないっていうのに。
何で学級委員になんてなったんだろう、私……。
「じゃー早速…、まずは学園祭実行委員から決めたいと思います。」
男子の学級委員・丸井くんが教卓の前に立って話し出す。
「…じゃあ…、立候補…いませんかー?」
しー…ん
と…
柄にもなく静まる教室。
そりゃあ面倒臭いもんね。
したいなんて人…いるはずもないか。
もし、推薦だったら……
私はチラッとあいつ…
中道の方を見る。
もし、推薦になったら真っ先にあいつの名前がでるんだろうな。
人気があって、リーダーシップをとれる…
こんな適任者、他にいないもん。
…が、他の生徒達はおろか、中道さえも……
視線をしたに下ろし、誰もこっちを見ようとしない。
…う~ん…、露骨だ。
「えっと…、できれば運動部の人は部活と両立は大変なので、してない人の方がいいかと思うけど……。」
……おおっ、
よく言った、丸井!!
…が、それにはブーイングが上がる。
なる程。
運動部所属が多いこのクラスでは…、文化部の人にはかなり不利になる。
全く進行が進まず、丸井くんが焦りを見せはじめた。
「…じゃあ、推薦……」
そう言いかけた時だった。
「俺、やります。」
後方から……
声が上がった。
中道……ではない。
中道の隣りの席のメガネ男子…、
三井くんだ。
教室からはどよめきと、称賛の声が上がる。
意外……。
どちらかというと控え目な三井くんが、立候補だなんて!
「…じゃあ男子は三井くんで。賛成の人は拍手をもってお願いしまーす!」