As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
部屋…片付いてなかったから。
「で、折角だからお茶の一杯でも…なんて言ったんだけど、『柚が待ってるんで』って振られちゃった!『ゆう』だって…ふふっ……。」
「だあーッ、それは普段上原って言うけど、この家で名字言うのもおかしいでしょ?!だからだよ!」
「やだなあ、ムキになっちゃって。」
「~…なってないッ!」
「ますます怪しいなあ。ねえ、結。」
だああ~!?結に振らないで~っ!
「…ホーント、どうなんだか~?」
ノリ良く母に合わせる要領よしの結。
「…ちゃんとお礼した?よっぽど急いでたよ。汗だくでさ……。」
「ん。ちゃんと言った。」
「……なら……、陰の立役者は、中道くんだったんだね。」
「………!」
結………。
「つまりはおいしいとこ全部持っていったワケだ?ちゃっかり指揮者賞ももらってたし。」
「……はい?」
「また株が上がっちゃうねー!」
「…………。」
私は……
一緒に笑うしかなかった。
触れちゃいけない話題だと思っていた。
けど……
思いの他、結はあっけらかんとしていて……
その真偽はわからない。
二人の……
今の関係は……?
けれどそれを聞いてどうなる?
私の思考の混乱は………
いつもアイツが招く。
いつになったらその呪縛から、解かれるというのだろう。