As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……バッ…、三井、言うなって!」
ほほーう……
何を……?
「間違っても女子が今着替えてるかどうかなんて偵察させるようなことはしないって!」
「よくもまあ堂々と……。ムッツリスケベはモテないよ。」
「バカヤロウ、オープンだっての!」
痛くないゲンコツをくらって……
しょーもないって感じで笑い合う。
「……てか、上原さんは変装しないの?」
そんな私達を、冷静に見守る三井くん。
「……あ、ああ……。」
変装っていうか……
アレ被ったら、私は本当に……
結になる。
中道を前に……
い、言えない……。
「私はバタバタしちゃうし、遠慮してみたっ。代わりに三井くんどお?なんなら、ホストとか。」
「…げ。ホスト?」
顔がみるみる真っ赤になって……
あはは、かわいいや。
「嘘だよ、も~真面目なんだもん三井くん。」
「なんだ。びっくりしたー。」
「でも絶対似合うと思う!みんなきっとドキっとしちゃうよ!」
「ないない!」
…………。
ん……?
中道が、
妙に静か…?
「………なら…、俺なろっか?」
「……は?」
中道……?
「ホストだろ?」
「……あんた、キャラじゃないじゃん?」
「……冗談だよ。間に受けんな。」
「…なにさー、それ。も~……」
わけわからん!
「…でも、俺らも頼まれたら何でもするよ?」
「………。みんな相当嫌がってたじゃん。」
でも……、
ここのところ、中道はやけに優しい。もしかしたら、本当にホント……
引き受けるかも?
「まあな、こっぱずかしいし。」
「……でも……、なんなら、お願いしちゃおっかな。」
「おう。何でも来い。」
……よしきた!
「ふ~ん…、いい心構え!」
私はニヤリと笑って……
教室でなおもはしゃいでいる女子の輪に、声をかける。
「お~い、みんな~!!」
その視線が、こちらに向けられた。
「変装希望2名、よろしくお願いしま~す!!」
『えっ?』って顔をしたのは…三井くん。
そりゃあそうだ。
三井くんにはとんだとばっちりだね。
でも……
「任せとけ!」