As Time Goes By ~僕等のかえりみち~





「いらっしゃいませ~!」




教室の前で、看板を掲げて客を出迎える。




三井くん考案のスイーツが評判をよんで……



客足は上々。






「ちょっくら外にも宣伝してくるね~!!」




ホールマネージャー(?)の律にそう断って、教室を出ようとしたところで……





「ちょいと待て。」



凪に、腕を掴まれる。





「楽しんで来いや。」




そう言って……




かぽっと頭に乗せられたのは……




さっきの自前のウィッグ。





「………は~い。」




変装をほどこし、生き生きとしている彼女たちを見ていると……



自分も何故か、そのウキウキが移る。








だから……




なんの抵抗もなく、


いや………、むしろ……



楽しんでやろうってくらいの軽い気持ちで……





一歩、足を踏み出したんだ。




結に似せる為に、スカートをひとまくりして短くしながら………。









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