Ａｓ Ｔｉｍｅ Ｇｏｅｓ Ｂｙ ～僕等のかえりみち～

「……あはは。柚が里中くん来ないかなって言ってたよ？だから……ここに宣伝来てみた。」



名誉、挽回～！



「おおっ……。マジか。」



「…………。」



声は嬉しそうなのに………



こ、こわい。



「もうちょいしたら出番終わるから、そしたらこっそり遊び行こうと思ってたとこ。」



わ…。…そうなんだぁ……。



「ねえ、ちなみに柚の変装ってやっぱメイドとか？」



「…………！」



いやいや…、
今、目の前に……。



「私はしないからいいのって豪語してたけど…、やっぱリーダーだし、きっとりっちゃんあたりに乗せられてるような気がする。」




ううっ……、ご明答。



「さ、さあ……。どうでしょう？」



「…あ。中道は袴姿になったって噂で聞いたよ。」


「ああ…、うん。」



噂……？


へぇ……、さすが……。




「あいつも忙しいそうだよなあ、大変でしょ？モテる彼氏。」



待って……。
二人が別れたって噂……、佳明って知らないの？


それとも……



わざと？



てか、何て答えたらいい？





「柚の手伝いもいいけどさ……、結ちゃんもうちょっと頑張ってもらわないと俺も困るんだよね。」



「……え？」



「しっかり繋ぎ止めててね。特に……今日辺りは！」



「…………。」



「……それとも……、別れたっていう噂、ホントだったりするの？」




「…………それは………」




「…まあ、でも、あの時お互い頑張るって約束したしな。俺も人のこと言えねーかあ……。」





………約束……？



結が、佳明と……？




「負けてらんねーわ。ここいらが頑張り時。」



「………そっか……。頑張って。」



「…言われなくても！…あ。ねえ…」



「ん……？」



「柚には言わないで、今の話。」



……………。



「……うん。」



「……じゃあ…、結ちゃんも持ち場あるんでしょ～？宣伝、わざわざありがとね。」



「………うん。ごめんね、ココのお客さんになれなくて…。」



「…アハハ、じゅーぶんこっちも宣伝してくれたよ。」




………ん？








よくよく見ると……、



確かに私達は……





周囲の目に晒されていた。