As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「………何してるの?」
「………!」
肩に…置かれた手。
そこから伝わる温もりが……
全身を駆け巡った。
「………え?」
それでも。
私は怖くて……
声が震えていた。
「………。大丈夫?」
袴姿のアイツは。
じっと……
私を見ている。
いや………、
私ではない。
結を………。見てるんだ。
「……何かあった?」
ゆらゆらと揺れる奴の瞳が……
私を金縛りにさせる。
「……【何か】って…?」
「……。また、独りでいるし。それに……、なんか挙動不審。」
「…………。」
今……、「また」って言った……?
「そ……そろそろ交代時間だからさ。どんな様子かなって…、様子見にきたの。」
「……ふーん…。結のクラスも店してるんだっけ。」
「うん、まあ……。」
確か……、
そう、
……写真館!!
「…準備、大変だったんだよ?写真館してるんだけどさ…、セットを3パターン作って……。そのうちの一つは、バックに花畑 もちろん造花だけど、私がアレンジしたんだ。」
「…へぇー、結得意だもんな、そういうの。」
「頑張ったもん。」
そう……、
結はすごく張り切っていた。
例え本物じゃなくても、夢に近づく第一歩かなって……
そう、言っていた。
「……ねえ、そっちこそ…今自由時間なの?」
「……ん。まあ……。」
あ。
目が泳いだ。
「…もしかして、サボり?」
アンタ今……
接客係じゃないっけ?
「…だってさー、俺と三井ばっかホールぱたぱたしてて、休む暇ねーんだもん。大体、何で俺らの接客時間だけ他より長いんだよ。」
「……そうなの?」
当たり前じゃん。
アンタ目的の客をかきいれる為だもん。
三井くんは……
実行委員として、そこんとこ気遣かって同じ時間帯に入ってくれた。
てか、三井くんの方こそハードスケジュールだんだから…我慢しなさいよ、
我慢……。
「コレ絶対人使い荒いあいつの策略だろ。……ったく、魂胆ミエミエ……。」
「…………。」
……バレてんじゃん。