As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「…ま。そういう訳で……。どうせだし、一緒に写真でも写るか?」



「………えっ……。」




一緒にって…、


アンタと私が?!



「…よし、そうしよー。」



中道はガッチリと私を肩を掴み……



無理矢理、結の教室へと歩み進める。




「…………。」



これって…

断るのも、ヘンなのかな………。


だって、会話もごく自然で……


一緒に写真に写ろうだなんて(しかも二人で)、カップル以外にありえる?



…でもでも、ヤバいって。



そもそも……、私、結じゃないのに!


こんなの、結にバレたら……。




マズイ!



葛藤に、ぶんぶんと首振る私を……



中道が不思議そうにしている。



「……ダメ?」



下から覗きこんで……



「…………。」



か、かわいい……。



いやいやいやいや、


ダメダメっ!

状況をよーく考えろ、私!




「どうせ自分でセッティングしときながら…写真、まだ撮ってないんだろ?」



「…………!」



それは、………うん、有り得るかもしれない。



「…今更照れるもねーだろ。」



「…て、照れてなんか……」




…………だあーッ、
黙れ、私のクチっ。





「学園祭記念!ほら、行くぞ。」



「…………。」



ひぇえ~………


ダメだあ、


上手い交わし方、できないよ………。








私はそのままズルズルと……




教室の中へと引き連れられていく。



……途端、



結のクラスメイト達が……




一斉に、こっちを見た。




「撮影希望。背景は…、花畑で。」



ヤツはちらりと私の方を見て……



ポラロイドを持つ、カメラ係へと微笑む。




「……。結、アンタどこ行ってたのよ。当番サボって、呑気にデート?」



「…………。」



結が……?



……サボり?




「何だよ、少しくらいいーじゃん。俺ら自由時間合わないっつーか、勝手に決められて一緒にいれないんだもん。」



中道……。


アンタなら、そうとわかっていたら……



上手く避けられたでしょう?



どうして、私にそんな肝心なこと……


言わないの?




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