As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
結を守る為に……、
中道は、咄嗟に嘘をついた……?
「勝手にって……。結、アンタが了承したんじゃない。」
「それはしたんじゃなくて……『させた』んだろ?」
「……何それ……。」
鋭く睨みつける奴の気迫に負けたのか……
相手は急に、黙りこむ。
状況についていけない私は……
オロオロするばかり。
「アンタじゃ話になんねーな。俺だって今、鬼のよーな実行委員の目ェ盗んでここにいんだから…、誰でもいーから、早いとこ撮ってくれない?大丈夫、結はすぐ返すから。つーか、コイツは悪くなし。俺が無理矢理呼び出したんだから、結に非はない。そんでも文句あるときゃ俺に責任取らせてよ。」
中道………。
中道が……
必死になっている。
……そう…、
それはホント…、悔しいくらいに。
「……花畑のセットは……、こちらです。」
ポラロイドを引き継いだ男子生徒が……
くすりと笑った。
「…お前、もーすぐ野球部の方の当番もあるんだからな?さっさと写れ。」
…見覚えある顔。
「…わかってるっての。」
……そっか、野球部の人だ!
「さっさと中に入ってよ、お二人さん。」
女子生徒たちの、何とも言えない複雑な視線を浴びつつも……
なす術のない私は……、
とりあえず、そのセットの中へと………
足を踏み入れた。