As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「私が言うんだから、間違いない!!柚の……一番の理解者なんだから。」



「…………。」



「野球で言えばさ、ゲームセット?……恋愛に、そんなのあるのかな。」



「……どうだろーな。」



「結婚するならまだしも、まだ…16だし。もったいないよ。人の心を変えるのに……まだ十分時間がある。中道くんはさ、きっと、これからもずっと……柚以外を好きにはならない。なんか、そう思うんだよね。」



「…俺もソレ思う。」



「諦める理由はないよ。『いつか』なんて思ってたら駄目なんだよ、きっと。明日やろうなんて、馬鹿野郎の台詞。今日…、今この瞬間から…頑張ればいい。」




「………。追い出されたけどな。」




「それは私に気を遣ったから。」




「結は……それでいいと思う?」




「………。私を振ったんだから、それくらいの行動しなよ。でなきゃ本気でムカつく。」



「……そっか……。でも、まあ…、その前に。腹ごしらえでもして、遊んでスカッとして…気合い入れてからのがいいかな。」




「………。うん、柚がくれた時間を大切にしたい。最後の…デートしよう。」




「……おう。」
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