As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「…たこ焼き、チョコバナナ、フライドポテト……けっこー店出てるな。」
「……金魚すくいは出してないのかな~?」
「や。ね~だろ、さすがに。」
「…柚上手なんだよ。私はもっぱら駄目だけど。今なら………できそうな気がするんだけどな。」
「………?そっか。」
「中道くんは何食べたい?」
「俺?……そうだな…、あればホットドックだけど……。」
……と、
どこからか。
ドーン!!…と、爆発音のようなものが聞こえてきた。
「??ナニ?今の音。」
驚いたのは結も同じ。
「…………。」
周りの奴らはそんなに気にしてはいない様子。
その中の一部の人の手元に……
まるで人参のようなカタチをした袋が…握られていた。
「……!」
なるほど。
…懐かしいな。
「結。ちょっとあっち行ってみよう。」
「え?」
俺は音がしたであろうその方向へと…歩いていった。
「…待ってよ~」
俺の腕をしっかりと掴み、結はちょこちょこ小走りでついてくる。
しばらくすると……
また、あの大きな音が響いた。
今度は、胸にずしんっと振動が響く。
「あっ!あれだあ…!」
結が俺の横を追い越して……
真っ直ぐ前を指差す。
そこに。
大砲のような形をしたものが……
路上の真ん中に置かれていた。
「へぇ…、これって、『バクダン』?こうやって出来るんだぁ……。」
爆音にビクリと肩を揺らしながら、俺らはしばらくその様子を眺めていた。
「俺も実際に見るのは初めて!ヤバいな、おもしれー……。」
どうやら実行委員が企画したパフォーマンスでもあるらしく。
「…コレ…、無料だけど、いる?」
「……………。」
三井(兄)が、結の手に出来上がったバクダンを…手渡した。
「…わ~、ありがとうございます!」
素直に受け取る結。
「…その反応は…、柚ちゃんじゃないね。しかしまあそっくりだ。」
ニヤニヤした顔のまま……
結を見つめている。
「……えっと。三井先輩…ですよね。」
「あれ?知ってた?」
「生徒会長さんを知らない生徒はいないですよ。」