As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
それらは全てはいいわけで………
私は、間違いのない方を選んだ。
自分が幸せになると思った方を。
けれど、
忘れたことなどあったか?
思い出さない日はあったか?
「………好きでいて…、いいのかな。」
「ん?」
「好きでいても……いいのかな?」
「………!当たり前じゃん。人の気持ちだもん、どうしようもないじゃん。」
「………うん。」
「……里中とは…どうするの?」
「……ちゃんと…、話す。わかってもらえなくても仕方ないよ。佳明のことを好きって思ったことは、嘘じゃない。……けど、それ以上に……」
「…中道のことが好きだ…と?」
「……うん。全部、正直に。」
「…別れを意味するよ?」
「わかってる。」
「…中道とうまくいくとは限らないよ?」
「うん。気持ちがハッキリした今……これ以上、隠すことはできない。中道に振り向いてもらおうとか、そういうのは……ちゃんとケリをつけてから。」
「………。勇ましい……。さっすが中道を野球の道に導いた女だけのことあるな。」
「……え?」
「……言ってたよ、アイツ。『上原がいなかったら今の俺はない』って。」
「…………。そうなんだ……。」
「……なあ、結果はともかくとしてさ…、ダメもとな気持ちで、やってみよーぜ。」
能戸くんは……
私の目の前に、手を差し出した。
私はそれを。
ギュッと握って……
「…でも…、絶対オトせよ。」
彼の冗談まじりの言葉に…
「そっちこそ。」
対抗意識を燃やして。
しっかりと…握手をした。
互いの、健闘を祈って。
「……あの………」
そんな私たちを。
じっと見つめる視線があった。
「………サチ。」
サチちゃんだ。
「……えっと…、これはなんていうか、スポーツマンシップにのっとったと言うか……。」
手を握り合ったことへの、言い訳を……
必死で考える。
「…………?」
サチちゃんは。
キョトンとその場に留まって……
「柚ちゃん、廊下で…結が呼んでる。」
「………え……?」
さらりと『私』の名前を呼んだ。
私は、間違いのない方を選んだ。
自分が幸せになると思った方を。
けれど、
忘れたことなどあったか?
思い出さない日はあったか?
「………好きでいて…、いいのかな。」
「ん?」
「好きでいても……いいのかな?」
「………!当たり前じゃん。人の気持ちだもん、どうしようもないじゃん。」
「………うん。」
「……里中とは…どうするの?」
「……ちゃんと…、話す。わかってもらえなくても仕方ないよ。佳明のことを好きって思ったことは、嘘じゃない。……けど、それ以上に……」
「…中道のことが好きだ…と?」
「……うん。全部、正直に。」
「…別れを意味するよ?」
「わかってる。」
「…中道とうまくいくとは限らないよ?」
「うん。気持ちがハッキリした今……これ以上、隠すことはできない。中道に振り向いてもらおうとか、そういうのは……ちゃんとケリをつけてから。」
「………。勇ましい……。さっすが中道を野球の道に導いた女だけのことあるな。」
「……え?」
「……言ってたよ、アイツ。『上原がいなかったら今の俺はない』って。」
「…………。そうなんだ……。」
「……なあ、結果はともかくとしてさ…、ダメもとな気持ちで、やってみよーぜ。」
能戸くんは……
私の目の前に、手を差し出した。
私はそれを。
ギュッと握って……
「…でも…、絶対オトせよ。」
彼の冗談まじりの言葉に…
「そっちこそ。」
対抗意識を燃やして。
しっかりと…握手をした。
互いの、健闘を祈って。
「……あの………」
そんな私たちを。
じっと見つめる視線があった。
「………サチ。」
サチちゃんだ。
「……えっと…、これはなんていうか、スポーツマンシップにのっとったと言うか……。」
手を握り合ったことへの、言い訳を……
必死で考える。
「…………?」
サチちゃんは。
キョトンとその場に留まって……
「柚ちゃん、廊下で…結が呼んでる。」
「………え……?」
さらりと『私』の名前を呼んだ。