As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
この笑顔で……
これまで何人の乙女の心を奪ってきたんだろう。
残念ながら、私もその内の一人だけれど……。
………と。
「……柚?!」
「…………!」
佳明が……
私の名前を呼んだ。
一度こちらに背を向けた中道が……
不意に、振り返る。
「……上原……。」
……見つかった。
途端、私は急激に…逃げ出したくなる衝動にかられる。
今、向き合わなければならない相手が…二人。
しかも顔を揃えて、目の前にいるのだから。
人目を気にせず、近づいてきたのは…
佳明の方だった。
「ごめん、そっちに行けなくて!行く途中で捕まって……抜けられなくなっちゃった。」
「……うん、いいの。」
「……?けど、一緒に回れる時間帯ってここしか……」
「……いいの。……佳明、私も……一緒に回れなくなったから。」
「……すぐまた当番だもんな、残念だけど…仕方ないか。」
「…そうじゃない。」
「……え?」
「……一緒にいれない理由が…他にあるの。」
「………理由?」
「佳明、私……」
「………ちょっと待って。それは、今こんな所で聞かなきゃいけない話?」
「………あ……」
気持ちだけが焦って……
全く周りが見えていなかった。
こんな大切なことを、
今この場で……
言うべきではない。
「……ごめん。後で…学園祭が終わったら、聞いて貰えるかな。」
「……聞きたくないな。」
「………!」
「……冗談だよ。そんな深刻な顔されちゃあさ、流石に俺も怖くなる訳だ。」
「………ごめん。」
「…なんで謝るの?」
「……ごめん。」
「………。柚さ、まだ時間はあるの?」
「…え。……あ、うん…。少しなら。」
「なら、折角だから少し見ていってよ。」
「………。」
「……永遠のライバル対決。これからが見物だから。」
「……え……?」
佳明は。
私の頭にぽんっと手を置いて、それから……
寂しそうに笑った。
「…勝ってみせるよ。」
「…………。」
「……じゃ……」
「……うん。」
これまで何人の乙女の心を奪ってきたんだろう。
残念ながら、私もその内の一人だけれど……。
………と。
「……柚?!」
「…………!」
佳明が……
私の名前を呼んだ。
一度こちらに背を向けた中道が……
不意に、振り返る。
「……上原……。」
……見つかった。
途端、私は急激に…逃げ出したくなる衝動にかられる。
今、向き合わなければならない相手が…二人。
しかも顔を揃えて、目の前にいるのだから。
人目を気にせず、近づいてきたのは…
佳明の方だった。
「ごめん、そっちに行けなくて!行く途中で捕まって……抜けられなくなっちゃった。」
「……うん、いいの。」
「……?けど、一緒に回れる時間帯ってここしか……」
「……いいの。……佳明、私も……一緒に回れなくなったから。」
「……すぐまた当番だもんな、残念だけど…仕方ないか。」
「…そうじゃない。」
「……え?」
「……一緒にいれない理由が…他にあるの。」
「………理由?」
「佳明、私……」
「………ちょっと待って。それは、今こんな所で聞かなきゃいけない話?」
「………あ……」
気持ちだけが焦って……
全く周りが見えていなかった。
こんな大切なことを、
今この場で……
言うべきではない。
「……ごめん。後で…学園祭が終わったら、聞いて貰えるかな。」
「……聞きたくないな。」
「………!」
「……冗談だよ。そんな深刻な顔されちゃあさ、流石に俺も怖くなる訳だ。」
「………ごめん。」
「…なんで謝るの?」
「……ごめん。」
「………。柚さ、まだ時間はあるの?」
「…え。……あ、うん…。少しなら。」
「なら、折角だから少し見ていってよ。」
「………。」
「……永遠のライバル対決。これからが見物だから。」
「……え……?」
佳明は。
私の頭にぽんっと手を置いて、それから……
寂しそうに笑った。
「…勝ってみせるよ。」
「…………。」
「……じゃ……」
「……うん。」