As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「中道ぃ~!勝負は俺の勝ちだからな!」
背後から…
佳明が叫んでいた。
「わかってるって!」
「…じゃあ早く戻ってこいっ!」
「…はいは~い。」
「……柚!学園祭終わったら、迎えに行くから!」
「…………。」
「……迎えに行くから。ちゃんと…待ってろよ!」
「……うん。」
まるで念を押すように。
釘を刺すような佳明の言葉に余裕などなく……
これから私が彼に伝えなければならない言葉を、予測しているのではないかと……思った。
「……じゃあな。」
「うん。」
中道に握られていた腕が、まだ…、熱い。
この想いを。
私は二人に……
伝えきれるだろうか。