As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「いらっしゃいませ~!!」
学園祭終盤……
私は無事クラスへと戻り、ウエイトレス役を買って出た。
「……上原さん。今の注目でオレンジシフォン完売だからね。」
「…わ…、すごい。了解!」
耳打ちしてくる三井くん。
その横で。
メニューボードにお世辞にも上手いとは言えない字で……
中道が、『完売』の文字を書きいれた。
奴は宣言通りに…
クラスに戻ってきて、あっちこっち気を回して動いていた。
どこからくるのか、その体力……。
まさに、中道 侑、本日七変化。
袴、
サッカー部のユニフォーム、
野球部のユニフォーム、
そして今は……
カントリー調の店に合わせて、なんちゃってカウボーイ。
「…俺だけ浮いてるなぁ…。」
ぽつりと呟く剣士・三井くんは……
肩身を狭そうにしていた。
「…あ、そうだ。学園祭終わったら、実行委員一旦集合だって。」
「……あれ?そうなの?」
「上原さんいないとき、実行委員長が来て言ってった。」
「ふーん?わかった。すぐ終わるよね?」
「…もうみんなヘトヘトだろ?大丈夫っしょ。」
「…うん。」
それから。
客の対応に追われながら……
PM4:00……。
『これをもちまして…………』
校内放送が流れ、
「おわったぁあ~!!」
一般公開時間は、終了した。