As Time Goes By ~僕等のかえりみち~


自分自身の不甲斐のなさを許すことができなかった。







落ち込んだ私に、母は何も言わなかった。


何を言っても納得なんてしないと…


知っていたからだろう。




その夜……



寝れずにいた私の部屋を訪れたのは…



結だった。



顔を見せるわけでもなく、



ドアの隙間からそっと……




「柚、お疲れ様。」



ただ一言言い残し……



その場を去った。






それがどんなに嬉しかったか……。



他の誰でもない、結だからこそ…


双子だからこそ……




伝わる思い。




時間は朝の2時。





結も寝れずにいたのだろう。



「…ありがとう。」





結。



あなたがいてくれて良かった。




何度も何度もはい上がっていく、



そんな勇気をくれて……






ありがとう。






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