As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……ロド~。俺の彼女だぞ。仲良くしろよ。」
「…まだ『トモダチ』です。」
「……ハイハイ。」
久しぶりに会ったロドリゲスは……
パタパタと尻尾を振りながら、私を迎え入れてくれた。
「……覚えてるのかなぁ?」
「……さあ……?」
中道がロドリゲスの大きな身体をわしゃわしゃと撫でて。
「…言い忘れてたけどさ……。」
その身体に、顔を埋めて……
呟いた。
「俺が今日言ってた、話って……、お前に告白することだったんだ。」
「……え?」
「…ちょっと予想外の展開だったから、思わずカッコつけたけど……。そうじゃなかったら、ヘタレな告白する予定だった。」
「……どんな……告白?」
「……絶対見せらんねーな、マジで幻滅するかも。」
「…なにそれ~?」
「……必死だったんだから。」
「………?」
「…お前にはわかるまい。」
「…………。そっか……。ありがとね。」
わしゃわしゃと……
中道の頭を撫でる。
「…俺はロドじゃない。」
「わかってる。」
「……ナメんなよ。」
中道が私の手を掴んだ、その拍子……。
バランスを崩した私の身体をしっかりと支えて。
気づけば中道の顔が、すぐ側に……。
何となくの予感が……
脳裏を過ぎった。
「……手は出さないんだよね……?」
「明日から…、は。」
その距離が近づいていくと……
ワンっ!!!
……とロドリゲスのひと声。
私は我に返って、中道との距離をはかる。
「……有言実行しないと。」
「……はい。そうでした。」
キスしそうになって、初めて気づく。
初めて……自分からキスしたいと思ってしまった。
一体どれくらい好きが溢れ出してしまったことやら……。
「……お前もこのねーちゃんが早く彼女になれって思うよなぁ?」
いじけているのか、ロドリゲスにそう訴える姿さえも……
愛しく思えた。