As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「前方……、ヨシ。後方…………、ヨシ。」
おはようございます。
左右確認、よーし!!
私、上原柚は……
決して怪しい者ではありません。
こちら学校。
……の、昇降口。
何故安全確認しているのかと申しますと……
危険人物が、約3名。
こちらに潜んでいるからです。
危険人物・その1。
三井(弟)くん。
彼は中道を敵視し、なおかつ脅しをかけた……
張本人。
二人きりで会うことは、大変危険であると察知したから。
私はササッと廊下を突き進み……
無事、階段下へ。
よし……、順調。
危険人物・その2。
里中佳明。
彼は、私の彼氏でもあり……
別れを受け入れてはくれなかった。
今は会うのは……辛い。
どんな顔をしたら良いかが……
わからない。
階段をのぼりきり、いよいよいざ……
教室へ!
しか~し!
そこが一番危険の巣。
なぜならば。
三井くんはおろか、危険人物……・その3がおりますから。
危険人物・その3。
中道 侑。
想いが通じ合ったあの日。
うっかりキスを交わしてしまった私。
今は、友達として関わるつもりだったけれど……、
いざ、二人きりになったら、何をしでかすかわからない。
無論、私もタガが外れる可能性もアリ。
できるのならば。
一対一は避けたいところ……。
やっと教室に着いて、
心ん中で、「ミッション終了!」と唱えたところで……。
後方からバシッと頭を叩かれる。
「……オス。」
うぉお~!中道!!
「……メス。」
「……は?なんのギャグ?」
………。渾身のギャグは通じず。
思いの他、普通すぎるほど普通に…………
やつはスタスタと入室する。
……拍子ぬけ……。
なんだ、できるんじゃん、超普通に。