As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
中道の手が……スッと伸びてきて。
私の首の後ろで両手を組んだ。
「……俺と…、付き合って下さい。」
真っ向から勝負に挑む……
その目が好き。
君の楽しそうに笑う、その顔が好き。
「……好きだよ。」
意地悪も言うけれど、
時々私をドキっとさせる……
その声が好き。
だから……。
「……はい。私と…付き合って下さい。」
私は、
もっともっと、君を好きになる。
「………約束は…、これでもう無効だな。」
君の顔が近づいて。
そっと触れる、優しい唇。
キスの後……。
お互い無言のまま、じっと見つめ合う。
「…………。お前が大人しいと…、不気味。」
「……は?」
「いや、なんかいつもなんだかんだ言い争ってばっかだったじゃん。今日は…有り得ないくらい素直で…、やりづらい。」
「……。この状況で…、喧嘩売ってる?」
「待て。それだけは勘弁!……てか…、うん、ちょっとだけ里中に感謝っつーか……。」
「…………。」
「……でも、やっぱムカつくからさ。」
「…………ひゃっ。」
突然。
中道は私の腕を掴んで……
首元に、キスを落とす。
しかも………。
なんか………
長いし!
「……中道……?」
駄目だ、気が……おかしくなる。
佳明の時とは違う。
あの時は、キスされた所から……全身が冷えていくような、そんな恐怖さえあった。
なのに今は……
中道が触れた部分から熱が広がって。
痒くなっちゃうくらいに……
心地好いムズムズが、ほとばしる。
「………。ヨシ。あ~スッキリした。」
ようやく私を解放して。
奴はニヤリと笑う。
「……男同士の間接チューほど気持ち悪いもんはないけど……、これで、証拠隠滅。」
「………?!」
「…俺の勝ちだな。濃ゆ~いので上書きしたから…、これでチャラ。」
「………な……な…な…、何してんのよッ!」