As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
一方の私は。
どうしても……、気になることが。
できるだけ顔を上げることはせず、教室の簡単な片付けの時さえも……
俯き加減で取り組む。
そうしていると、やはり視界は狭すぎて……
1.人にぶつかる。
2.壁に激突する。
3.周囲に不審がられる。
……そんなことを、繰り返して。
「お前は一体何をしたいんだ?」
時折声を掛けてくる中道も、さすがに不思議そうに首を傾げていた。
この行動には、もちろん……理由アリ。
なぜなら。
中道がつけたであろう、そのキスマークを見られるんじゃないかと気が気じゃなくて……
恥ずかしかったから。
早く時間が過ぎないかと……、
時計ばかりを気にしていた。