As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……じゃあ…、行くか。」
「………うん。」
「……行くけどさ…、」
「……ん?」
「これで一応…、公認…だよな?」
「…た、多分?」
「……だよな。」
中道はハア~っと大きく息はいて。
「……だいぶ…、緊張した。」
余りにも顔を真っ赤にするから……。
「………私も。」
胸の奥が、妙にこそばゆい。
……同時に…
奴を可愛いとさえ思ってしまった。
恋って、ある意味怖い。
「……私…、ジャージに着替えてから行きたいんだけど。」
「……は?なんで。」
「誰かさんがごまかしきれないようなものを人に付けたからだよ。」
「……ああ。なんだ、だからさっきお前…下ばっか見てたんだ?」
やっぱり気づいてなかったんだ?
「…でもまあいーじゃん、見せつけとけっ。」
「……バッ…!私はアンタと違って強心臓じゃないのッ!!」
そう言って。
中道の手から鞄を奪うと……
私はトイレへと向かってダッシュした。
……でも……。
「……ちゃんと……、待っててね。」
途中で振り返って、ヤツの顔を見る。
「……当たり前。」
にこりと笑って……
君は手をひらつかせた。