As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
やや寝坊ぎみの私。
階段を足早に下りて行って……
「……おはよう!」
リビングにいるであろう、母に向かって……挨拶する。
…が。
「おはよう。」
「………?!」
返ってきた声は……、
よく聞き慣れた、低い声。
「………ええっ?!」
リビングにひょいっと顔を出すと……。
「……わ。すっげー寝癖。」
そこにいたのはなんと……!
「な……、中道~?何故ここに……!」
「あら。寒空の下で待ってるから…、私が誘ったのよ。」
向かい合って座る母は、珈琲を片手にご機嫌だ。
「ホラホラ、早く準備終わらせなさいな。」
「…あ…、うん。中道っ、メールと電話…気づかなくてゴメンね!」
「……大丈夫。焦んないでいーからな。」
「……うん!」
ああ……、
朝からなんて衝撃的な展開……。
結ってば、知っててわざと知らないフリしたな……?
てか………、
髪はボサボサ。
おまけに寝巻き姿まで、見られてしまった……。
「……まあ…、いいか。」
今更……、中道だって気にしないはずだ。