As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……いやぁ…、朝からいーもん見せてもらった。妖怪人間かっての。」
肩を並べて歩きながら。
白い息を弾ませた、中道のキツ~イひと言。
………。
前言撤回!!
気にし過ぎだろ~!?
「ひど……。」
「まあいいんじゃん?上原らしくて。寝巻きはかわいいし。」
オイオイ…、服だけかいっ。
「………おもしれー…。お前ってすぐふてくされるよな。」
奴は私の頬を両手でつまんで。
横にびよ~んと伸ばす。
され放題の私。
なぜ放っておくのかって?
それは……。
「かわいーかわいー。」
どうやら中道は。
好きな人にはちょっかいを出したくなるタチのようで……。
悪気がない分だけ、こんなスキンシップも…
ちょっぴり嬉しかったりするから。
彼なりの、愛情表現だ。
「お母さんとどんな話してたの?」
気になるなぁ……。
「……うん。なんか、息子ができたみたいで嬉しいって言われたよ。」
「やだも~……、余計なこと言ってそう……。」
「……。大丈夫、お前の幼少期の武勇伝なんて聞いてないから。」
「……げっ。」
「…今とそう変わらないじゃん?男前で、頼もしい感じ!」
「…な…、なな……、何を聞いたのかしら…?」
やんちゃだったあの頃の話は……
私の中では、だいぶタブーなんですが……。
「……。嘘だよ、別になーんも聞いてない。相変わらずいい反応してんな。」
や……
やられたーッ…… 。
中道と私のちっちゃな駆け引きは。
いつでも彼に分配が上がる。
惚れた弱みか……
悔しくはない。