As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「さっみーな。上原…、手!」
「……ん。」
私がぎゅっと握ると……
中道も負けじと握り返してくる。
どんなに寒い朝だって……、
中道といれば、ほかほかとあったかくなる。
うん……、
どれだけ私……
奴に惚れてしまったんだ?
「上原……。クリスマスだけど…、なんか欲しいもの決まった?」
「……またそれ?いいよ、いらないし。ってか、そっちこそ欲しいものないの?」
「…………。」
「……何故黙る。」
最近の私達の話題は。
専ら、近づいてきたクリスマスの話題だ。
あとは……、お約束の、
「……だーかーらー、上原が欲しい。(大真面目)」
……ここで、しっかりと奴の頭をはたく。
「…ほらぁ、言ったってコレだろ?」
「ワンパターンすぎるっての。」
進歩のない私達。
もちろん……、いつかはっては思うけど……。
まだまだ先は長いし、そういうのはよくわからないっていうのが本音だった。
「……ま、どーせイヴも部活だしな。夢もロマンもねーよなぁ……。」
「……だね。」
進歩はないかもしれない。
それでも……。
「……学校じゃできないし…、ここらでキスでもしとく?」
両想いになった私達の、気持ちの向く方向はいつも同じ。
こっぱすがしいから私からは言えないけれど……。
何とも同じタイミングで、
触れたくなる。
ちなみに………。
「………ん……。」
愛情の深さだけは……、
より深まっているようで……。
「………。上原…、エロい。」
長いキスの後、
中道はしみじみと言った。
「ば……、馬鹿っ!!」
中道は……、
キスが上手。
触れ合っていると、理性を保つのに精一杯で…、ちゃんと、奴の求めるものに応えられているのか……心配になる。