As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……なに…それ…。」
「心のどこかで…人を頼りにしてきた証拠だね。中道くんにおいては、もう依存の域かな。」
畳みかけられる言葉に……
次第に…
対抗する意思が薄れてゆく。
それは暗に、認めたことになるのに。
悔しいのに。
言い返せないのは……
何故?
相手が、結だから……?
「私を…馬鹿にしてたでしょう?いつも独りでさ、馬鹿みたいに柚の後ついて歩いて。なにをしたって敵わないって…私自身も、柚だって…気づいてたハズ。」
「!そんなこと…!」
「私の場合はさ、ずっと一緒にいれば…柚がいればどうにかなる、柚がなんとかしてくれるって思ってたよ。けれどそれは…自分の利己的な考えだと…気づいた。中道くんと、柚のおかげかもね。」
「………。」
「どうにもならないことを追い掛けるよりも、自分にしかできないことを…探すようになったよ。陸上も、勉強も、柚には敵わないし。柚に負けたくない、その一心で」
「…はじめから……負けてることなんてないじゃない。」
「言うと思った!けど…今の地点では、そうかもね。」
「……え?」
「柚がここでぼんやりとしてるなら、それはそれでどうぞ?私は……柚の背中は見飽きたし、助ける必要は…ない。」
これが………
さっきの警告の……
正体?
ザワザワザと胸が……騒ぐ。
「……私は、先を行く。もう、誰にも頼らなくても大丈夫って…そう、柚が教えてくれたから。」
「………!」
「…だから、柚が立ちどまっても…何もしてあげられない。自分を変えられるのは…自分だけ。それに気づかなければ……未来は見えて来ないよ。」