As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
存分に遊んで……
私達が外へ出た頃……、
外は既に真っ暗だった。
私達は街中のベンチに座り……、
コンビニで買ったホットドリンクを飲みながら…
のんびりと時を過ごした。
「……楽しかったなぁ…。」
初めは気負ってスタートしたデートだったけれど。
気づけば……夢中だった。
君の笑顔を逃さぬように、
私も笑顔を絶やさぬように……。
けれど、そんなの無意味で。
一緒に居るだけで……自然とそうなる自分がいた。
そう、悔しいくらいに…。
「……楽しかったな。」
そう、ふんわりと微笑む君が。
私と…同じ気持ちでいてくれたら、どんなに嬉しいことだろう。
「……うん、それに…凄い綺麗だし。」
私は……
欅の並木道に施されたイルミネーションを…指差した。
「なんかもやもやしてた自分が馬鹿みたい。楽しすぎて…初デートに、悔いなし!」
「もやもやしてたんだ?」
中道はイルミネーションを見上げたまま…、
ぽつりと呟いた。
「……あ!思い出した。」
私は自分の発言を取り繕うようにして……、わざと、声を大きくする。
「……なに?」
「……前にさ。こーやって二人でベンチに座って……。星なんて見たよね!懐かしー……。」
「……。あったな。そんな事も。」
「あの時は私がなんだかうじうじと悩んでてさ…、アンタがびっくりするくらいクッサイ台詞言うから……、妙に感化されたっけ。」
不器用な…励ましの言葉。
私が前を向くようになった、きっかけ……。
「何言ったっけ?」
「……ん~?『これだけ大きな空から見れば俺らはホントちっぽけで……、夢や希望なんて抱いても、大したもんじゃないって思える。』ってな感じだったかな。」
「……うわ……。」
お。照れてる……。