As Time Goes By ~僕等のかえりみち~







中道が先を歩いて……



私は、半歩後ろをついて歩く。








見慣れた光景……、


見慣れた景色。





私達の……




いつもの、帰り道。







無言のまま歩いた中道が……


小学校のグラウンドを通り抜けた辺りで、



ぴたり。



…と、足を止めた。







「……いつの俺らだよ、コレ。…さみしいじゃん。」





前を向いたまま……



奴は後ろへと、手を伸ばす。




「……え……?」




「………手。」




「……………。」



私は……その手を握る。





彼の気持ちを表しているかのような……。ひんやりと、冷たい手……。





今日一日、触れることのなかったその手が……




ギュッと私の手を…握り返した。







「……こうして一緒に帰るの…なんか久しぶりな気がする。」




「そうだな……。」








上手く……


言葉にならなかった。





君が私のすぐ隣りにいる。




そんな、当たり前のことを……




ひどく懐かしく感じていたのだった。








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